小学生しょうがくせいけの、記述式きじゅつしき試験しけん答案とうあんのお手本てほんになることを目指めざした文章ぶんしょう ―『烈車れっしゃ戦隊せんたいトッキュウジャー』を題材だいざいにして―

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小学生向けにかれている書籍しょせきの文章のおおくは、記述式きじゅつしき試験しけん答案とうあんもちいることが許容きょようされていない文体ぶんたいで書かれている。その文体をそのまま学習がくしゅうして記述式試験で使用しようするならば、おそらく大幅おおはば減点げんてんをされて、不合格ふごうかくになりかねない。だから記述式試験を受験じゅけんする小学生がそうならないためには、「試験の答案とうあんで用いることのできる文体」で書かれた文章を一度いちどみ、「文体のお手本」として習得しゅうとく理解りかいをする必要ひつようがあるはずだ。とくに「断定だんていしすぎない」かたや「曖昧あいまい内容ないようを曖昧であるままはっきりべる」言い方はすこ参考さんこうになる、とおもう。 …と、そのようなかんがえにのっとって以下いかの文章は書かれた。したがってこの文章もまた小学生向きに書かれている。

記述式試験で許容されていない文体とは、たとえば「敬体けいたいぶん」「会話かいわ頻出ひんしゅつするような文体」「かたりかけるような文体」「おし命令めいれいするような文体」「必要以外いがい体言たいげんめ」「助詞じょし述語じゅつご省略しょうりゃくおおすぎる文体」などがげられる。

試験しけん題材だいざいを『烈車れっしゃ戦隊せんたいトッキュウジャー』にもとめる。すなわち、この番組ばんぐみDVDディーブイディ視聴しちょうしたうえで回答かいとう解答かいとうするという試験を想定そうていすることとする。なお、この番組は2014ねん2がつから2015年2月にテレビ朝日あさひ系列けいれつ放送局ほうそうきょく放映ほうえいされたものである。

ところで筆者ひっしゃ文学ぶんがく理論りろんにも物語ものがたり理論にも美学びがくにもメディアろんにも、特別とくべつ知識ちしき見識けんしきをもっていない。初心者しょしんしゃレベルかそれ以下いかである。そのため、以下の文章が「人文じんぶんけい学問がくもん成果せいか充分じゅうぶん反映はんえいしていない」ものになる可能性かのうせいはきわめてたかい。しかし、文学理論や物語理論に通暁つうぎょうしたもの現職げんしょく国語こくご教員きょういんにむしろなりやすい場合もあるのだから、国語教育きょういくかく場面ばめんでそれらのめんかんしては相当そうとう生徒せいと伝達でんたつされているはずだろう。だから、その面での不足ふそくあやまりはたいした問題もんだいではないはずだ、とはいたい。

解答例かいとうれいを、それにルビをったものに順次じゅんじえていく。ルビをそのまま答案とうあんくことはもちろんできないが、しかし「勉強べんきょう」の参考さんこうになら役立やくだつかもしれないからだ。

トッキュウジャー第08話「レインボーラインだい爆破ばくは

第08話でシャドーラインの側は何に成功して、何に成功しなかったと言えるでしょうか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

だい08ではネロ男爵だんしゃく指揮しきのもと活動かつどうがおこなわれた。ネロ男爵は、自身じしん目標もくひょう達成たっせいすることには成功せいこうした反面はんめん、シャドーの幹部かんぶ意思いしとく考慮こうりょれなかった。なので、そのてんについては特に成功しなかった。つまりまとめると、ネロ男爵は自分じぶん自身の目標を達成たっせいすることにのみ成功し、組織そしきのチームワークをたかめることには成功しなかった、と総括そうかつできる。

ネロ男爵の目標は、あらたなステーションをつくるために、陽動ようどう作戦さくせんによってトッキュウジャーの注意ちゅういべつ事柄ことがらけておくことであった。具体的ぐたいてきには、怪人かいじん特殊とくしゅ能力のうりょくによってトッキュウジャーの車輌しゃりょうのブレーキを破壊はかい暴走ぼうそうさせ、かつ、トカッチの身体しんたい爆弾ばくだん装着そうちゃくしてしまうことで、トッキュウジャーの総力そうりょくおおくをその対策たいさくけさせることができ、自分の活動のほうにづかせなかった。そのことにまんまと成功したネロ男爵は新たなステーションを作る見込みこみができた。

一方いっぽう、ネロ男爵は、他のメンバーの意思をかなえることは特にしなかった。ノア夫人ふじんがトッキュウジャーを邪魔じゃま存在そんざいになった、と憂慮ゆうりょしていたにもかかわらず、ネロ男爵の作戦でトッキュウジャーを全滅ぜんめつさせることはできなかった。また、そのことをかれは特に失敗しっぱいだとはとらえてもいなかった。つまりノア夫人の意思は考慮にまったく入れなかった。だから、ノア夫人の意思をかなえることにはあまり成功しなかった。

他方たほう、シュバルツ将軍しょうぐんは、トッキュウジャーのサポート列車れっしゃ略奪りゃくだつすることに執心しゅうしんしていた。もし将軍がこの作戦に関与かんよしていれば、ライトが成功したジーゼル列車の帰還きかんをきっと妨害ぼうがいしていただろう、また、その結果けっかとして、ジーゼル列車の帰還がおくれて、トッキュウジャーは車輌の暴走をめることにも失敗して壊滅かいめつてき被害ひがいこうむっただろう、…とそのように推測すいそくできる。しかしネロ男爵はシュバルツ将軍の協力きょうりょくあおぐことなく、独断どくだんことすすめた。そのため、ジーゼル列車の帰還をふせぐことができず、トッキュウジャーを壊滅させる千載一遇せんざいいちぐう機会きかいのがすこととなった。だが、そもそもシュバルツとはなったりもしていないため、その不成功ふせいこう顕在化けんざいかしなかった。

第08話においては、シャドーラインの側の遂行すいこう包括的ほうかつてき評価ひょうかする主体しゅたいはまだ登場とうじょうしていない。そのため、チームワークをいたかく幹部ごとの独断専行せんこうの活動を「全体ぜんたいとして成功か失敗か、一体いったいどちらなのか」というふうに位置いちづける活動も特にられない。ただ、視聴者しちょうしゃの側からある程度ていど包括的にながめた場合ばあい、ネロ男爵は自分自身の目標を達成することにのみ成功し、他のメンバーとの協力体制たいせい構築こうちくすることには特に成功しなかった、…と、そのようにならいうる。

第08話でトッキュウジャーの側は何に成功して、何に成功しなかったと言えるでしょうか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

トッキュウジャーのがわは、こった出来事できごとへの対処たいしょには成功せいこうしたが、その原因げんいんとなった状況じょうきょうへの対処に成功したとはあまりえそうにない。そのように総括そうかつすることができるだろう。

トッキュウジャーはふたつのことに成功した。ひとつはサポート列車れっしゃであるジーゼル列車をうごくようにし、かつ、レインボーラインに帰還きかんさせることに成功したことである。このかなりの部分ぶぶんはライトの努力どりょくとイマジネーションのちからによって達成たっせいされた。もう一つは、シャドー怪人かいじんによって、列車のブレーキを破壊はかいされ暴走ぼうそうしたことと、トカッチの身体しんたい爆弾ばくだん仕掛しかけられたことの二つを、チームワークと機転きてんによってどうにか解除かいじょ解決かいけつすることに成功し、ついでに怪人もたおすことができたことである。前者ぜんしゃにあたってはまたしてもライトとあと車掌しゃしょうついでヒカリの尽力じんりょくが大きい。ジーゼル列車を帰還させ、トッキュウジャーの車輌しゃりょう連結れんけつさせ反対はんたい方向ほうこうることで、どうにか暴走ぼうそう鎮静ちんせいさせることができた。後者こうしゃのほうは、トッキュウジャーのライト以外いがいのメンバーや、乗務員じょうむいんのワゴンの一体いったいとなった協力きょうりょくによって、どうにか成功した。シャドーの側がまるでチームワークをいていたのとちょうど好対照こうたいしょうのようにして、トッキュウジャーはチームワークの力で危機ききえたようにえがかれている。

この番組ばんぐみかいは、上記じょうきの二つの成功をちょうどはじまりからわりまでで一区切ひとくぎりになるように情報じょうほう提示ていじされている。つまり「トッキュウジャーの成功物語ものがたり」として一区切りになるように出来事がられて、番組されている。この番組の特にこの回というのは、うなれば「トッキュウジャーの立場たちばからの物語」なのである。そのためもあって、トッキュウジャーの「成功せいこう」については気付きづかないままにわる可能性かのうせいおおきい。しかしその徴候ちょうこう各所かくしょ見出みいだされる。二点にてんげる。

トッキュウジャーの「成功しなかったこと」の一つは、今回のこの列車爆破ばくは危機ききの「意義いぎづけ」である。この回での危機というのは、番組が始まっていちばん最初さいしょの「トッキュウジャーを攻撃こうげきすること自体じたいしゅ目的もくてきであるシャドーの活動かつどう」であったことに由来ゆらいする。いままでの戦闘せんとうというのは、シャドーの側からすれば「自分じぶん領地りょうち・活動領域りょういき」にんできたトッキュウジャー(という侵略者しんりゃくしゃ)を撃退げきたいするためのものがおおかった。または、トッキュウジャーに先手せんてをうって攻撃こうげきする場合ばあいでも、攻撃自体が主目的なのではなく、あくまでサポート列車の奪還だっかんのほうが主目的であった。だが、今回の場合はそうでなく、陽動ようどう作戦さくせんのレベルとは言え、はっきりとトッキュウジャーを先手で攻撃することそれ自体が主目的であった。場合によってはトッキュウジャーが壊滅かいめつしてもいっこうにかまわない、くらいの攻撃ではあったのだ。トッキュウジャーは前回までなら言わば「攻撃こそが最大さいだい防御ぼうぎょ」とでもいう指針ししんのっとってポジティブにかまえていればかったのだが、この回でははっきりと「自分たちを先手で攻撃してくる敵」にそなえた「防御体制たいせい」が必要ひつようである、というステージに移行いこうしたのである。そのような状況じょうきょう判断はんだんをすることに、番組のこの回ではトッキュウジャーは成功したようにはえがかれていない。

トッキュウジャーの「成功しなかったこと」の二つめは、怪人の今回使つかった「んだふりによって攻撃する」という能力のうりょくへの対処たいしょである。この怪人は攻撃されるとすぐに「爆死ばくししたふり」をすることによって自身の身体を気体きたいし、分身ぶんしん生成せいせいする。気体化と分身化によってびて自在じざい潜入せんにゅうし、攻撃を準備じゅんびすることができるのだ。たしかにトッキュウジャーも不穏ふおん予感よかんがしたため、以前いぜんのように盗聴器とうちょうき仕掛しかけられたときのことをかんがえると随分ずいぶん不徹底ふてっていだとは言え、車輌ないそう点検てんけんをある程度ていどしたりはした。この活動かつどうそのものは評価ひょうかできる。しかしこれに失敗しっぱいして、てきの分身を一度いちど見落みおとした、そしてそれにもかかわらず、怪人かいじんをようやく捕獲ほかくしたあと、車外しゃがい投擲とうてきしふたたび「爆死したふり」をさせてしまっている。これがまったく評価できない。いかに、車輌が暴走して危機的であるとは言っても、怪人を爆発させてしまえば一般人いっぱんじん危害きがいくわえる可能性かのうせいだってある。怪人のこのような能力をある程度ていど把握はあくし、一度失敗しているにもかかわらず、ふたたび怪人を「爆発」させてしまったこと、これがトッキュウジャーの怪人への対処の「不成功」である。それがさらなる危機をまねかなかったのはたんに怪人のまぐれや偶然ぐうぜんによるものでしかなかった。本来ほんらいなら怪人の身体もろともトッキュウジャーのだれかが車外に避難ひなんし、爆発させないようにしながらたお方法ほうほうを考えるべきだっただろう。同じような不用心ぶようじんさが怪人が巨大きょだいしたあとのトッキュウジャーの側の攻撃態度たいどにもられる。巨大化したさいの攻撃がうまくいったのはあくまで偶然であり、きちんとした死亡しぼう確認かくにんが本来ならば必要だったはずなのに、それをしないうちに安心あんしんしきっているからだ。

出題者しゅつだいしゃから追記ついき

今回こんかいのシャドーのがわ不成功ふせいこうと、トッキュウジャーの側の不成功とが、ともに象徴的しょうちょうてきあらわれているのが、怪人かいじんとトッキュウジャーのメンバーとが市街地しがいち遭遇そうぐうしたときの場面ばめんである。両者りょうしゃともに「相手あいてがなぜここにるのか?」という問題もんだい意識いしきっていないか、かりに持っていても必要ひつよう用心ようじんをしていないのである。この遭遇はいままでのおおくのかいのものとはちがう。今までの場合ばあい、シャドーにられたえきの市街地にトッキュウジャーがあとからんでいくことで両者りょうしゃは遭遇していた。だがこの回は違う。この駅はシャドーによって乗っ取られている気配けはいい駅なのである。トッキュウジャーには「なぜシャドーがここに居るのか?」の問題意識や「サポート列車れっしゃねらっているのでは?」という用心が決定的けっていてきらない。他方たほう、シャドーの側も最初さいしょからトッキュウジャーに遭遇するようなつもりでいるため、やはり、「なぜトッキュウジャーがここに居るのか?」をにしていなさすぎなのである。つまり、「相手が居たので好都合こうつごう」くらいにしか事態じたい認識にんしきしていないのである。そのためにサポート列車の帰還きかん作戦さくせん感知かんちできず、結果けっかてきにはそれがトッキュウジャーをたお千載一遇せんざいいちぐうのチャンスをつかそこねることにもつながったのである。

なお「トカッチの身体に爆弾を仕掛けられた。」と書かないで「トカッチに爆弾を仕掛けられた。」と書くと、文意二通ふたとおりになってしまう。つまり「怪人がトカッチに爆弾を仕掛けた。」の意味いみと、「トカッチが爆弾を仕掛けた。」の意味と、両方りょうほうることができてしまう。なので、今回こんかいは「トカッチの身体に」というかたをして誤解ごかいふせいだ。

トッキュウジャー第07話「やるせなく、やるなく」

第07話ではどのような「問題の解決」が描かれていましたか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

このかいではふたつの「問題もんだい」がえがかれていた。ひとつは、シャドー怪人かいじん特殊とくしゅ能力のうりょくによってトッキュウジャーのメンバー3にんふく何人なんにんもの人々ひとびと強度きょうど無気力むきりょくさせられ、あわや危険きけんにさらされたことである。もう一つは、それ以外いがいのトッキュウジャーチームのメンバーたちが、普段ふだんちいさな違和感いわかん否定ひてい感情かんじょうかさねで、人間にんげん関係かんけいがこじれてしまったことである。その「解決かいけつ」の糸口いとぐちとなったのは、関係のこじれの直接的ちょくせつてき原因げんいんになった事項じこう利用りようしてシャドー怪人をたおせたことであった。その成功せいこう体験たいけんによってわだかまりがけたとでもいった「解決かいけつ」をむかえることができたのである。

人間関係のこじれのおおもとは、カグラとヒカリのあいだしょうじた。カグラが特殊能力である「なりきり」によって忍者にんじゃになりきっていたときに、ヒカリの愛用あいようのけんだまこわしてしまい、しかもあわや怪我けがまでさせかねない展開てんかいになった。カグラはその「なりきり」にかんして日頃ひごろからヒカリに軽蔑けいべつされているのではという不安ふあんかんじていたこともあり、このけんでヒカリにたいする恐怖きょうふ罪悪感ざいあくかんがないまぜになった感情かんじょうたされんだ。他方たほうじつはヒカリのほうもいかりの感情を制御せいぎょできず表出ひょうしゅつしたことに罪悪感やまずさをかんじて、カグラたちをけてべつ車輌しゃりょうきこもっていた。

いまひとつのこじれは、車掌しゃしょう本音ほんね代弁者だいべんしゃともとれるチケットと、人造じんぞう人間にんげん車内しゃない販売員はんばいいんであるワゴンとのあいだこった。チケットは日頃ひごろからワゴンのことを「無思慮むしりょ軽薄けいはく」とかんじており、他方、ワゴンのほうはやとぬしである車掌にたいして「労働ろうどうった対価たいかをもらっていない」と日頃から感じていたということが、あたかも顕在化けんざいかしたかのように事態じたいは展開した。すなわち、チケットがワゴンをつよめの言葉ことば罵倒ばとうしてしまったため、おこったワゴンは職務しょくむ放棄ほうきし、車掌に対してストライキをこしたのである。

問題もんだいの「解決かいけつ」は、偶然ぐうぜんのきっかけによってもたらされた。上記じょうき経緯けいいで、たよることができるメンバーがなくなりヒカリとカグラとはいやおうなしにうことになり、双方そうほうとも謝罪しゃざいのきっかけをさがしていたこともあって、ヒカリが怒っていなくてむしろ罪悪感を感じていたことが判明はんめいした。その、おおもとの原因げんいんであった「“なりきり”を軽蔑けいべつされているのでは」というカグラの不安も解消かいしょうされることとなった。まず、シャドー怪人をたおすためにヒカリが考案こうあんした作戦さくせんは、カグラの「なりきり」の特殊能力を活用かつようするものであった。その後、二人で合議ごうぎ協働きょうどうすることで「なりきり」をふくむ作戦で怪人の特殊能力を解除かいじょすることに成功せいこうした。さらにその後も、カグラの「なりきり」体験たいけんを活用するかたちてきを倒すことができた。この成功体験によりカグラは自分の能力に引け目を感じていた状態じょうたいから段階だんかいだっすることができた。これが物語のなかで描かれていたおもな「問題の解決」である。

今ひとつの「問題」であった、車掌やチケットとワゴンとのこじれもなしくずしてき解消かいしょうした。ワゴンが不満ふまんのありかをはっきり表明ひょうめいしたことと、車掌がそれをかるあつかわず一定いってい必要ひつよう対処たいしょをしたため、ストライキも終了しゅうりょうし、機嫌きげんなおしたワゴンは平常へいじょう勤務きんむもどったのである。

第07話では「問題の解決」によってもたらされた、どのような「事態の進展」が描かれていましたか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

トッキュウジャーという物語ものがたり全体ぜんたいとして「うしなわれた記憶きおくもど故郷こきょう帰還きかんする」ために戦隊せんたいメンバーがたびをしている物語である、とえる。つまり全体としてれば「成長せいちょうの物語」よりは「回復かいふくの物語」の解釈かいしゃく枠組わくぐみつよい。このかいでもそのように位置いちづけることができる「進展しんてん」がられた。それは「ヒカリがなぜけんだま愛用あいようしているのか」についての記憶にかんするものである。

けん玉をカグラにこわされたときにヒカリが表出ひょうしゅつしたいかりの感情かんじょうは、ヒカリ自身じしんがとまどうほどのものであった。そこにヒカリがづいていない重要じゅうよう意味いみがある可能性かのうせいにカグラは気づいた。カグラは「けん玉はヒカリにとって大切たいせつだれか」にもらったものであり、またその記憶をヒカリが喪失そうしつしているという可能性があるという推測すいそくを、ヒカリにげた。そのことになにかしらおもたるところがあったヒカリの反応はんのうをみて、カグラがまだヒカリに感じていた不安ふあんまでも、今度こんどこそあたかも雲散霧消うんさんむしょうしたかのようであった。

その気づきによってヒカリは「何についての記憶を取り戻せばよいか」という「問題もんだい所在しょざい」がはっきりして、今後こんご目標もくひょうることができた。これがこの回で「問題の解決かいけつ」によってもたらされた「事態じたいの進展」である。

トッキュウジャー第06話「さがしものはなんですか」

第06話ではどのような「問題の解決」が描かれていましたか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

だい06では、行方ゆくえ不明ふめいになったサポート列車れっしゃ発見はっけんして無事ぶじ回収かいしゅうするという任務にんむ戦隊せんたいあたえられた。ところがあく組織そしき幹部かんぶもまたこの列車れっしゃしがっており、戦隊がサポート列車を発見したところで収奪しゅうだつしようと企図きとしていた。まず前半ぜんはんで、この幹部の人質ひとじち作戦さくせんからまもりつつ、サポート列車をさきんじて発見し回収するという「解決かいけつ」がえがかれた。そして後半こうはんでは、運転うんてんしているサポート列車に対して悪の幹部が列車での攻撃こうげきくわえてきた。それにたいして防御ぼうぎょ撃退げきたいするために、戦隊がわではサポート列車の未知みち性能せいのうを発見する必要ひつようがあった。つづく後半では、その発見に成功せいこうし悪の幹部を無事ぶじ撃退するという「解決」が描かれた。

第06話ではどのような「成長」が描かれていましたか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

集団しゅうだんのリーダーというてんかんして、おもにライトとトカッチの「成長せいちょう」がえがかれていた。

トカッチは、集団にはリーダーが必要ひつようであり、そのリーダーというのはのメンバーよりも余裕よゆうをもち、他のメンバーの不足ふそくおぎなたすけるほどの能力のうりょくがなくてはならない、としんじていた。そしてリーダーという地位ちいたいしては、過剰かじょうあこがれているがゆえに、自分じぶんにはかえっていであるとおもっていた。そのため、「リーダーはべつにトカッチでいいんじゃない」というふうに他のメンバーに消極的しょうきょくてき信任しんにんされたことで、思ってもみない展開てんかい俄然がぜん奮起ふんきした。しかし、てきとのたたかいをつうじて、自分じぶんいだいていたリーダーかんにふさわしい振舞ふるまいができていなかったとかんじた。つまり、自分にはできることしかできない、他のメンバーがしゅならそのじゅうになるようなサポートが自分にふさわしい、と適性てきせい再認識さいにんしきすることとなった。ところがその点をライトに「サポートが得意とくいなリーダーもいてい」とわれ、さらにライトによって全員ぜんいんに「○○リーダー」とあだをつけられることによって、固定こていしたリーダーぞう集団観しゅうだんかん見直みなおすきっかけがあたえられた。このように、自分の適性を再認識し、なおかつ「それで良い」という是認ぜにんが与えられて固定的こていてきかんがえから解放かいほうされるようになったことがトカッチの「成長せいちょう」としてえがかれていた。

ライトは、そのトカッチが「リーダーらしくわなければならない」という「固定観念かんねん」にとらわれることで、かえって行動こうどうることができ、もともともっていた、自分自身じしんの身のたけに合った行動だけをとるという消極的しょうきょくてき姿勢しせいやぶるきっかけとなった展開てんかいたりにした。それまではライト自身は戦隊せんたいという集団しゅうだんにリーダーなど不要ふようだとかんがえていたが、その考えをすこし見直すこととなった。すなわち、リーダーというかんがかたがもたれることで成員せいいんの行動が方向ほうこう変化へんかすることがありうることを実感じっかんしたのであった。そのため、状況じょうきょうおうじてかくメンバーがそれぞれ得意とくい分野ぶんや発揮はっきすれば良いという考え方から、少し変化させた考え方をもつようになった。それが、各自かくじの得意なめんかして全員がリーダーとして振る舞う、という集団観であった。このように「リーダーという考え方」自体じたいがメンバーに与える影響えいきょうふか理解りかいしたということがライトの「成長」として認識にんしき可能かのうなように描かれていた。

トッキュウジャー第05話「えた線路せんろのむこうがわ」

第05話ではどのような「問題の解決」が描かれていましたか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

だい05では、あく組織そしき戦闘員せんとういんによってまち人々ひとびと食料しょくりょう強奪ごうだつされ、人々はえでくるしんでいた。飢えのために人々は無気力むきりょくになり、さらに他人たにんには食料をあたえないような排他的はいたてき行動こうどうひとまでもがいた。これがえがかれていた「問題もんだい」である。悪の組織の戦闘員が戦隊せんたい打倒だとうされたことによって、食料が強奪ごうだつされてしまう問題は解決かいけつし、人々は、普通ふつうに食料がはいるような生活せいかつふたたもどった。そのような「解決かいけつ」が描かれている。

第05話ではどのような「成長」が描かれていましたか。君の考えを述べなさい。

解答例(ルビ付き)

このだい05ではおも種類しゅるいの「成長せいちょう」がえがかれていた。ひとつはまち人々ひとびと戦隊せんたいったことによってこった「成長」であり、もう一つは戦隊メンバーの「成長」である。

町の人々が戦隊メンバーに出会ったことによって起こった成長にもさらにこまかくえば、ふたつの種類のものが指摘してき可能かのうである。一つは、自分じぶんたちが被害ひがいこうむったことによってさらなる他人たにんにも被害をおよぼすと、大変やましいちになるということをさとった、というものである。こういうことだ。物語ものがたり登場とうじょうするキャンプのメンバーは、あく組織そしき食料しょくりょうをほとんどうばわれており、かくっていた最後さいごの食料をあたえないために、気絶きぜつしてだおれていた戦隊メンバーのライトを見捨みすてて遺棄いきしようとしていた。そしてライトがたことによって最後の食料がだいしになりそれにはらてたキャンプメンバーたちは、ライトを自分じぶんたちのテリトリーから追放ついほうした。しかしそのことでメンバーたちは平和へいわになるどころか、かえって疚しい気持ちや罪悪感ざいあくかんにかられるようになった。このように、たとえ被害者ひがいしゃ立場たちばであっても、自分たちがさらなる被害者をすような行動こうどうをとると、かえって精神的せいしんてきには苦痛くつうになることがある、あるいは反対はんたいに被害者どうしでたすうと、精神的にすこらくになることがある、そのことを悟ったというキャンプメンバーの成長が描かれていた。

いまひとつ物語が示唆しさしていた成長が、指摘可能である。それは「必要ひつようなものがあらかじめ用意よういされていない場合ばあいは、自分たちで用意すればい」という「世界せかい法則ほうそく」を登場とうじょう人物じんぶつが悟ったこと、というものだ。これは二つの並行的へいこうてき事態じたいてとることが可能なさとりである。

一つは「食料」についてである。この物語は、加害者かがいしゃである悪の組織も被害者である町の人々も「ものというのは、食品しょくひんや食料のかたちであらかじめだれかによって準備じゅんびされたものである」というわくぐみなかで行動している。そのてんでは加害者と被害者とは同一どういつの行動原理げんりうごいている。ところがそこに共同体きょうどうたい外側そとがわから戦隊のライトが登場し、こともなげに食用しょくようとなるヤマメやたけのこ発見はっけんする。これは加害者にも被害者にもとされていた「食材しょくざい」である。そのことをたりにしたキャンプのメンバーにとっては、「あらかじめ食品や食料として準備されていない食材」というものがありうること、あるいは発見しうること、をった契機けいきとなった。これはキャンプメンバーにこった成長である。

他方たほう、戦隊メンバーはこれと並行的な、ある成長をげている。それは巨大化きょだいかしてカーキャリアレッシャーをもふくめて合体がったいした事後じごの、そのカーキャリアの「使つかみち」についてである。ライトは「自分たちでスゴくするんだよ」と豪語ごうごし、その発言はつげんどおり、カーキャリアの性能せいのう活用かつようした攻撃こうげき方法ほうほうをそのしてみせた。そもそもカーキャリアレッシャーは合体できることすら当初とうしょられておらず、合体可能であることもそれをもちいて攻撃できることも、すべてライトが即興そっきょう考案こうあんしたものである。この一連いちれんの行動から「あらかじめ武器ぶきとして準備されてはいない」装備そうびであっても創意そうい工夫くふう次第しだいで武器として活用することができる、そのことをライトはの戦隊メンバーに悟らせた。この悟りが物語が示唆する今一つの成長であり、それは食料に関してのキャンプメンバーの悟りと並行的であるというるのである。