コメント:西澤保彦『解体諸因』
西澤保彦『解体諸因』(講談社)
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「バラバラ殺人」というテーマで統一されており、「そうであるならばぜひこうなるだろう」というような、そのようなしかたにそったある読後感がもたらされやすいように、書かれている。この本の読後感を「意外」「驚き」というふうに書く人が多いし、筆者もそうだったのだが、よくよく考えればテーマに忠実という書かれ方に過ぎなかったともいえる。いずれにせよ、なかなかまねのできない特殊な記念碑的作品であると、思う。ところで、上記の点に気づいた人は9つあるうち、一つだけ例外である「因」が存在することに気づくはずである。なぜこの「因」だけが例外なのか、考えてみるのも一興だろう。