混乱する日本語文法談義を鎮静するためにまず読んでほしい書

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以下、内容が薄いので、短文である。

日本語文法には専門家というものがおり、特殊なルートではあるが彼らに対面で教わることも不可能ではない。しかし一般には出会わない存在である。そのためちゃんとした総合大学の出身者の間であっても日本語文法に専門家がいる、ということは全く知られていない。そのためか、小中高の国語教員が「専門家」だと思われがちである。そして彼らが教えている内容が正しいというふうに思われがちである。

やめてほしい。小中高の国語教員が教えている「日本語文法」すなわち「学校文法」などは、現代の学術的な研究の知見などをまるで無視して作られたものである。北原保雄『改めたい文法の非常識 主語の解体と文の構造』(2022,教育出版)(出版社サイト)に書かれているところによると、検定教科書の制作の段階で文法の専門家の提言は一蹴され、また「現場の教員」に反対されてしまう、ということのようだ。

そこで日本語文法の専門家の成果を独学しようとすると、或る特有の困難に逢着する。私がそうだった。そこで、その段階をひとまずクリアするために、有用だった書籍を紹介する。一つは、原沢伊都夫『日本人のための日本語文法入門』(コメント)の最初のほうの章である。そしてこちらのほうがより言いたいのだが、もう一つは庵 功雄『一歩進んだ日本語文法の教え方〈2〉』(2018,くろしお出版)(出版社サイト)のなかで、「“は”と“が”の区別」に関説する章を二つ設けている。この内容を自家薬籠中のものにすれば、文法の独学での困難をかなり軽減するに違いない、と思う。私はまだその段階ではない。これからだ。ともかく初心者に薦めたい。