コメント:西崎文子, 武内進一 編著『紛争・対立・暴力』

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西崎文子, 武内進一 編著『紛争・対立・暴力』(岩波書店)

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  • タイトルからもわかるように、紛争以外にもいろいろなトピックが記載されている。弾圧やテロなどの話題も多い。私のような固有名詞が苦手な者は、黙読では頭に入ってこない知らない話題は音読したりしてみた。
  • 世界各地域の研究者が寄せ集まって作った世界情勢についての書だが、そういうふうに予想していると意外感にうたれる内容も含まれている。で、世界地理に疎い人がこの本を読むコツは、「イスラム教」「ムスリム」に関連のある内容と、そうでない内容とに仕分けしながら読んでみることだ。そこで残ったなかから、こんどは「キリスト教」に関係あるものを仕分けしてみることだ。これで本書の半分以上はカバーできるし、読むときに統一的な視点ができあがることになる。
  • 世界情勢についての見識を得るための良書はたぶんたくさんある。ただ高校生にはぜひ大学教員の書いた本を一冊は薦めておきたかった。この著書はその点で意識的であり、各章の著者紹介にはすべて勤務大学や学部の紹介が記載されている。その点を重視した。
  • ほとんどの人は、世界情勢にまんべんなく詳しくなる必要というものは無いだろう。なので、いろいろな話題を取り込みやすくするためのきっかけ作りになるものが在れば良い。この書はその役割を果たすと思う。