コメント:小川真吾『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』

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小川真吾『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』(合同出版)

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  • 「お涙頂戴」とか「情緒的」タイプの本に見えて、まったく違う本だった。きわめて大づかみなビジョンを一方では明確に与えてくれ、そのうえで、かなり細かい事実関係をきちんと述べている。アフリカを知ることが欧米というものを知るための、一つの良い道筋であることがわかる。また、どのようにして人は(政治的に)騙されるのか、に関する知恵も少し得られる。たとえば「独裁政権に対抗していた少数民族が独立に成功した」とか「独裁政権に対抗していた人々の革命によって民主化国家になった」などの「お話」を安易には真に受けないようになれる。この本は一読するだけで終わらせず、子細に検討したり活用する方法がいろいろありそうだ。
  • p85を中心に「分割統治」(wiki)(コトバンク)について少し紙面を割いて説明している。「分割統治」について知るための決定本を私は他に知らないので、「分割統治」について知りたければこの本だよ、と人に言えるようになった。他にも、「代理戦争」「奴隷貿易」「実体経済」「プランテーション」「トラスト」など、知っていればそれにこしたことは無いという語が随所に使われている。
  • ところでこの書を読むと「○○国政府は」とか「○○国の会社は」といった主格語ではなくて「○○国は」といったタイプの主格語で説明している箇所が多かった、という印象をもつ。これは私の感じ方では少しあやふやな言い方であり、そういった「アメリカは」とか「イギリスは」といったタイプの箇所は、その細部を少し読者のほうで推察してみようとしてみる態度で臨むのが良いかもしれない。
  • この本を読めば、国分良成・監修『図解 はじめて学ぶ みんなの政治』(晶文社)(amazon)の「南スーダンの独立」話が「どちらかといえばほとんど嘘」に近いことがわかるくらいにはなれる。